XDM and X Terminal mini-HOWTO Kevin Taylor
kevin@northants.lug.org.uk
浩一 野本 日本語翻訳
hng@ps.ksky.ne.jp
v0.05 14 November 2000 kt Added cross-references to other Howtos v0.04 6 November 2000 kt Updates after first public draft. v0.03 3 July 2000 kt Minor updates from first comments v0.02 28 June 2000 kt First SGML source draft from HTML source v0.01 27 June 2000 kt First HTML source draft template この文書は、XDM を使用して X 端末を管理する基本的な考え方を記述して います。XDM のすべての機能を網羅的に解説するのではなく、X 端末のために XDM を使って何ができるかについて丁寧に紹介しようとするものです。 X 端末の導入および設定について、十分な検討を行うために、 'Thin-client' HOWTO を読んでください。これは、Linux Documentation Project もしくは Linux Terminal Server Project から入手できます ( を参照のこと)。
はじめに disk!introduction Copyright Information This document is copyrighted (c) 2000 Kevin Taylor and is distributed under the terms of the Linux Documentation Project (LDP) license, stated below. Unless otherwise stated, Linux HOWTO documents are copyrighted by their respective authors. Linux HOWTO documents may be reproduced and distributed in whole or in part, in any medium physical or electronic, as long as this copyright notice is retained on all copies. Commercial redistribution is allowed and encouraged; however, the author would like to be notified of any such distributions. All translations, derivative works, or aggregate works incorporating any Linux HOWTO documents must be covered under this copyright notice. That is, you may not produce a derivative work from a HOWTO and impose additional restrictions on its distribution. Exceptions to these rules may be granted under certain conditions; please contact the Linux HOWTO coordinator at the address given below. In short, we wish to promote dissemination of this information through as many channels as possible. However, we do wish to retain copyright on the HOWTO documents, and would like to be notified of any plans to redistribute the HOWTOs. If you have any questions, please contact linux-howto@metalab.unc.edu
参考訳: この文書の著作権は (c) 2000 Kevin Taylor が保有し、 以下に定める Linux Documentation Project (LDP) のライセンスの条 件に従い、配布できます。 特に断りがない限り、Linux HOWTO 文書の著作権はそれぞれの著者が保有 しています。Linux HOWTO 文書の全体あるいは一部は、物理的電子的を問 わず、あらゆるメディアに自由に複写できます。ただしその際にはこの著 作宣言をすべてのコピーに付加する必要があります。商業的な配布も許可 し、また奨励します。しかしその際には著者にお知らせくださるようお願 いします。 Linux HOWTO の文書を含んだ翻訳、修正および編集作業の成果は、すべて この著作権条項に従う必要があります。すなわちこの HOWTO を修正した後 に、配布条件に追加項を加えることはできません。但し適当と認められた 場合は例外とすることもできます。Linux HOWTO の管理者に連絡してくだ さい。アドレスは以下に示します。 要するに我々はこれらの情報を可能な限りの方法で広めたいと思っている のです。しかし我々は HOWTO 文書に関する著作権は保持し続けたいと望ん でいます。また、HOWTO を再配布する計画については知らせてほしいと思っ ています。 もし疑問点があったら、Linux HOWTO の管理者に連絡してください。電子 メールのアドレスは linux-howto@metalab.unc.edu です。
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参考訳: この文書の内容に関して責任は一切持てません。ご自分の責任でこの文書 に書かれている考え方や参考例などを利用してください。たとえアップデー トされたとしても、誤りや不正確なところが残っているおそれがあり、あ なたのシステムに障害を与えるかもしれません。ですから設定は慎重に行っ てください。万が一、何か問題が起こったとしても、私は責任をとれませ ん。 すべての著作権は特に記述していない限り、それぞれの著者が保持してい ます。文書内に記載されているトレードマークや商標などは各社の商標ま たは商標登録です。 プロダクトやブランド名の記述は、必ずしもそれぞれを推奨しているもの ではありません。 インストール作業をする前にはシステムのバックアップをとっておくこと、 また定期的にバックアップをとり続けることを強く推奨します。
最新版 (your index root)!news on この文書の最新版は、 The Northants LUG, UK Project Pages から入手できます。 謝辞 情報提供や校正いただいた、下記の方々のご協力に感謝します。 1995 年に書かれた X teriminal mini-howto の著者 Scot W Stevenson。 彼の文書から、上級の設定オプション の章における xdm-config の設定を入手しました。 Northants LUG, UK の皆さん。文書の校正をしていただきました。 XDM、Xserver の man ページ、デフォルトの XDM スクリプト、の作者の皆 さん。 Neil Zanella, Rafael Herrera, Paul Hornshaw, Clive Jones, Robert de Geus, Alex Schenkman, Richard Kaszeta, Malcolm Herbet を含む初期のバージョンからコメントいただいた皆さん。 フィードバック この文書に関するフィードバックは、間違いなく大歓迎です。あなたの提 案や入力なしでは、この文書は、存在できなくなります。追加や意見、批評 を xdm-mini@northants.lug.org.uk まで送ってください。 今後の予定 たぶん、以下に示したいくつかの項目について、もう少し詳細に述べるはず で・・・ XDM に関連するデバッグ上の問題点 XDM の置きかえ - KDM や GDM など 他の Unix や Windows との統合 FAQ や一般的な失敗 いくつかの提案?
基本概念 disk!basics 何を書いているか この文書は、'thin-client' コンピュータを提供するために、Linux を利用し、X 端末と X サーバを管理するために XDM (the X display manager) を利用する際の、基本概念を述べています。 X (もしくは 'X ウィンドウシステム') は、ウィンドウ機能で、Unix シス テムのために選択されたグラフィック環境です。その独特な長所 (および、 この文書が、関与するキービット) は、実行するアプリケーション (ウェブ ブラウザ、ワードプロセッサなど) が、実際のグラフィックスクリーンと入 力装置 (マウス、キーボードなど) から、ネットワーク通信の仕組みを経て、 分離していることです。 その本質は、あるマシン上でアプリケーションを実行し、その入力と出力を ネットワークを経て、別のマシンにリダイレクトできることです。これは、 X 端末を可能とさせる重要な特色です。 この文書は、Linux のネットワークもしくは X、のインストールもしくは設 定は扱いません。それらの詳細は、Linux Documentation Project にある適 切な HOWTO 文書を参照してください ( を参照 のこと)。 この文書は、'XDM を起動させるために' という文書として扱えるはずです。 それは、XDM と X 端末を利用するための基本的な用語と概念を述べ、最小 限の安全性を提供する簡単な例を示しているからです。 文書内の基本的な機能を理解していないなら、文書の最後で紹介したリソー スのリストを参考にしてください - この文書の例は、最低限の安全モード での操作を利用したので、特に '認証' とセキュリティの設定を調査すべき です。 注意 - この文書内の情報は、Debian 2.1, SuSE 6.4, Mandrake 7.0 および、 RedHat 6.0 を実行しているシステムから入手しました。 この文書は、X 端末のための Linux のインストールと設定の方法の記述を しません。この情報に関しては、'thin-client' HOWTO 文書を参照してくだ さい。Linux Documentation Project か、Linux Terminal Server Project から入手できます ( を参照のこと)。 この文書について 私のメインの Linux box の X 端末として、486 PC 上で Linux を動かす実 験をしたかったことから、この文書ができました。 XDM と X 端末に関する man ページや仕様書、その当時の HOWTO 文書を読 んだら、かえって、どこで XDM が動くべきなのか、XDM サーバと、X サー バや類似 X サーバの違いは何なのかが分からなくなってしまい、一二晩の 実験の末、この文書が生まれました。 いったん、基本的な技術用語を整理すると、XDM の文書とサンプルファイル 自身が含んでいるコメントなどの情報や仕様が良く分かるようになりました - 私が作業を始めた時は、その基本概念の簡単な手引きを見つけられません でした。この文書が、私と似た状況にある方々への適した手引きになること を願います。 16 MB RAM 搭載の 486dx2/66 が、立派な X 端末になるなんて、あー、なん て不思議なことでしょう。 XDM disk!xdm XDM とは 簡単に言えば、XDM (the X Display Manager) は、コマンドラインの 'login' プロンプトをグラフィック環境に置きかえたものと考えることがで きます。本当は、もっと多くのことをしています。 一般的に、XDM は、電源投入時に 'root' ユーザ (もしくはシステムの起動 スクリプト) により起動され、グラフィックログインプロンプトをユーザに 与えます。そしてログインすると、XDM は、そのユーザの X セッションを 管理します - すなわち、ウィンドウマネージャやアプリケーションの実行 を開始します。 これは、多くの Linux ディストリビューションのデフォルトのインストー ルで行われている標準的な 'simple local machine login' の設定とみなせ ます。しかし、XDM は、リモート X サーバ (群) の管理や、リモートの 'X 端末' にログインプロンプトを表示することもできます。要するに、ローカ ルマシンに限りません - ネットワークで接続された他のマシンを簡単に管 理できます。 XDM は、いろいろな設定ができるユーティリティで、この文書では、ちょっ とだけ、この文書に必要な上辺だけなぞります。この文書の狙いは、X 端末 とアプリケーションサーバをそれぞれ他のものへ接続する設定の十分な情報 を提供することです。この文書で検討している話題のもっと詳細な情報は、 を参照してください。 セキュリティ上の注意 - X (のデフォルトの設定) と XDM は、特に安全と いうわけではありません。'信頼できる' ネットワーク上で X を実行し、 安全性を論点にしなくてもよいことを想定しています。 X 接続の安全性を強化する方法の詳細 (および X のネットワーク機能を使 用することの詳細) に関しては、LDP にある 'Running Remote X Applications' HOWTO 文書を参照してください ( を参照のこと)。 X 端末とは この用語は様々なシステム構成を網羅することが出来ますが、ここでは単純 の為に、ネットワーク接続した、キーボード、マウス、モニタがあるマシン でネットワーク上のどこかにあるアプリケーションサーバに接続できる X ウィンドウシステムが実行できるように設定されているマシンをさします。 'X 端末' の設定は、機能の段階に応じ、完全なディスクレス端末から高機 能な X ワークステーションまで、いろいろあります。 いくつかの専門用語 先に進む前に、これ以上は、この文書内で使用している用語の説明はしませ ん。X について話す時、何のために何が機能を提供しているのかなどの、か なり多くの混乱があります。これは、ネットワーク上の X 端末に、セッショ ンを分散させようとすると、特に混乱します。文書内で使う用語を以下に示 します。 ディスクレス X 端末 これは、ディスクを持たないマシンで、EPROM (もしくは似たようなも の) からブートし、ネットワーク接続したサーバを利用します。ネット ワーク設定、オペレーティングシステム、システム設定、そして、すべ てのアプリケーションをサーバから入手することを意味します。いった んブートしてしまえば、これは 'ダム X 端末' (下記参照) と同じにな ります。一般的に、この設定は、次に示すブートのためのネットワーク プロトコルの組合せが使われます - BOOTP, DHCP, TFTP など。ディス クレスクライアントの構築の方法の詳細の参考となる情報が、 にいくつかありますので参照してください。 ダム X 端末 これは、ローカルディスク内のオペレーティングシステムからブートす るマシンで、プログラム 'X サーバ' のみ起動され、他には何も起動 されません。何らかの形で、ログインプロンプトがマシン上に表示され、 ネットワーク上のどこかの 'アプリケーションサーバ' へユーザがログ インすることを可能にします。 X ワークステーション これは、ダム X 端末と似たようなものですが、ローカルマシンにログ オンする選択肢が提供され、それ故に、必要であれば、独立型の (言い 換えればネットワーク接続性のいらない) ワークステーションになれる 能力があります。ほとんどのディストリビューションは、出荷状態で、 グラフィックログインプロンプトを伴う独立型 X ワークステーション として設定できます。 アプリケーションサーバ この文書の文脈において、X 端末で実行したいアプリケーション (X ク ライアント) を提供するマシンを指すために 'アプリケーションサーバ' という用語を使用します。これは、エディタやブラウザから 'ウィンド ウマネージャ' それ自身まで、すべてのものを含みます。 X サーバ これは、物理的なコンソール (ディスプレイ、キーボード、マウスなど) を伴うマシンのディスプレイを管理するプログラムです。それは、グラ フィックカード、キーボード、マウスの 'ドライバ' の組合せと考える こともできます。 これは、X クライアントへのサービスとしての機能を提供します (それ 故に 'サーバ' と呼ばれます)。詳細については、 にある X User Howto を参照してください。 X クライアント これは、入力 (キーボードとマウス) と出力 (ディスプレイ) を提供す る X サーバの使用が必要なアプリケーションです。X クライアントは、 X サーバのサービスなしでは、出力が行えません。X サーバは、ローカ ル (同じマシン上) か、ネットワークのどこででも実行できます。 上記の概要のように、X ワークステーションは、ダム X 端末とアプリケー ションサーバから成り立ち、同一マシン上でそれらを実行するものと考える ことができます。 この文書は、上記の様々なアーキテクチャの選択肢を考察し、どのように XDM を設定し、その役割をさせるか記述します。 XDM は何ができるか XDM は、ユーザにログインプロンプトを提供し、その X セッションの開始 を受け持ちます。それは、ローカルセッション (すなわち X ワークステー ションへのログイン) もしくは、ディスクレスかダム X 端末から、ネット ワークを介したアプリケーションサーバへ、リモートマシン間のセッション を管理できます。 XDM は、2つの主要な操作モードがあります。 X サーバからの検索 XDM による X サーバの管理 X サーバからの検索 XDM と現存する 'X サーバ' (物理的なスクリーン・キーボード・マウス などを持つマシン) との通信は、XDMCP (X Display Manager Control Protocol) を介し、行われます。 これは、X サーバが XDM を実行しているサーバの検索を送出することを 許可します。事実上、X サーバは 'ログイン待ちをしている人がいるので、 ログインプロンプトをください' と言います。この操作モードで、XDM は、 X サーバがたずねるまで、何もしません。 X サーバからの検索は、3つの方法があります。 Direct query - X サーバは、指定されたホストと通信し、サーバが そのディスプレイにログインプロンプトを出すことを要求します。 Broadcast - X サーバは、ネットワークにブロードキャストメッセー ジを送出し、最初にブロードキャストに応答した XDM を実行してい るサーバは、そのディスプレイにログインプロンプトを出します。 Indirect query - X サーバは指定されたホストと通信しますが、ネッ トワーク上で XDM を実行しているホストを知っている他のホストに たずねます。次に、指定されたホストはユーザがホストを選択するた めのリストを表示します。そして、選択したホストと通信を開始し、 その結果、選択されたホストはそのディスプレイにログインプロンプ トを表示します。 他にもいくつかの選択肢がありますが、それらは、この文書では扱いませ ん - 詳細については、 にある XDM と XDMCP の文書を参照してください。 XDM による X サーバの管理 X サーバを実行するマシン (たとえばディスクレスかダム X 端末) がい くつかあり、一つのアプリケーションサーバからログインプロンプトをす べてのマシンに与えることを意図するなら、自動的にそれぞれの X サー バへ接続し、それぞれのディスプレイへログインプロンプトを表示する設 定をアプリケーションサーバ上の XDM にすることで可能です。 この操作モードにおいて、XDM は、X サーバ自身からの検索を待つことな く、記載された X サーバに対し、積極的にログインプロンプトを '押し 出します'。 このケースでは、XDM が接続し、そのログインプロンプトを表示すべきそ れぞれのマシン (必要なら、そのローカルディスプレイも含む) が設定ファ イル 'Xservers' に記入されています。 設定の中にリモート X サーバを記入しない時の設定は、X ワークステー ションのために使用される標準的な設定で、ユーザが使っているローカル マシンへグラフィックログインを表示します。前に述べたように、ほとん どのディストリビューションはローカルグラフィカルログインプロンプト をユーザに表示するために、出荷状態でこの設定を行っています。 注意 - XDM は、X サーバに接続が許可されなければならないという問題 があります - なので、X サーバ上のアクセスコントロールは適切に設定 しなければなりません。 XDM の設定 disk!config この章では、XDM がこの文書のここまでで述べている機能を行うために、何を 設定する必要があるか記述します。 それぞれのケースで、述べている設定は、それぞれの目的を果たすために最低 限必要なものです。ほとんどのケースで、これは最小の安全性の設定であるこ とも意味します。XDM と X 端末を安全にすることについての追加情報のため、 に記載したいくつかの追加文書を参照してくだ さい (特に 'Running Remote X Applications Howto')。 設定ファイル xdm-config Xaccess Xservers Xresources (Debian 2.1. Mandrake 7.0.2, RedHat 6.2) - /etc/X11/xdm か、(SuSE 6.4) - /usr/X11R6/lib/X11/xdm にあるでしょう。 xdm-config 他の設定ファイルの場所と基本的なアクセス許可を定義します。この文 書に関連するすべてのディストリビューションでは、そのファイル名は、 ここに書いたとおりでした (しかし、たまに違う場所にあります)。 これは、X のセッションに関する様々な状態遷移のために実行する startup などのスクリプトも定義します。ほとんどのディストリビュー ションは、あらかじめ設定したものを付属させていると思われるので、 これらの変更の必要はないはずです。 XDM が管理する X のセッションと、xinit か startx によって開始され る X のセッション (すなわち、XDM に管理されない X のセッション) では、startup と 設定スクリプトのセットが異なるので注意してくだ さい。 Xaccess どのマシンが XDM に接続できるか - 言い換えれば、ネットワーク上の 別のどのマシンからの XDMCP 検索を受け付けているか - を決めます。 このファイルに記載されていないマシンは、XDM からのログインプロン プトを要求できません。 Xservers 自動的に、XDM が接続し、ログインプロンプトを表示するマシンの一覧 を含みます - 言い換えれば、それらのマシンはすでに X サーバを実行 していますが、ログインプロンプトが提供されることを待っています。 これは、'X サーバを管理する XDM' に必要とされます。リモートの X サーバに XDM の検索をさせるなら、このファイルに記入する必要はあ りません。 独立型の 'X ワークステーション' として実行する時、ふつうはこの ファイルの中に一つのエントリがあり、それは localhost です。 Xresources XDM ウィジェット (たとえば、ログインの 'box' のサイズ、色、背景 の図柄など) に利用される X のプロパティを指定します。 X サーバを管理する XDM の設定 XDM がログインプロンプトを表示する X サーバの各々のエントリは、ファ イル Xservers に置かなければなりません。これは、ローカルマシンやリモー トマシンの一覧を含むことができます。 # First the local host :0 local /usr/bin/X11/X vt7 # # Then the remote hosts emma:0 foreign alex:0 foreign これは、ローカルマシン上で XDM を起動し、ホスト 'emma' と 'alex' 上 で実行している X サーバ上にもログインスクリーンを表示します (このマ シンが 'emma' と 'alex' で実行している X サーバに接続を許るされるよ うに 'emma' と 'alex' 上で設定がされていると仮定します)。 一つのマシン上で複数の X サーバを実行しているなどの例で、必要なら、 ホストとディスプレイ (:0, :1 など) を指定することができることに注意 してください。 検索を受信する XDM の設定 ファイル Xaccess は、ログインプロンプトを要求するために、このマシン 上の XDM をどのホストが検索していいか決めます。 # First line for direct queries * # Following line for indirect queries * CHOOSER BROADCAST すべてのホストは、direct query を用い XDM を経てログインプロンプトの 要求をしていいことを意味します (最初の '*' の意味です)。 'CHOOSER' の行は、indirect query を用い、どのホストが XDM に接続でき るか指定します - このケースでは、すべてのホストが、接続する可能性の あるホストの一覧を得るために、このマシンを検索していいことになります (2番目の行の '*')。 'BROADCAST' は、broadcast query により、このマシン上の 'chooser' ア プリケーションが、ネットワーク上の有効なサーバ (このサーバでも XDM が実行されているでしょう) の一覧を入手できることを意味します。 'chooser' については、後述します。 これらのエントリ内に特別なホストの名前をおくことができます (chooser を使用することなく、他への indirect query も可能です) が、この文書で は説明しません (より多くの情報にリンクするために を参照してください)。 X の起動 X サーバ自身の起動方法は、ローカルやリモートの XDM とどのように話し たいかによって、依存するでしょう。 X ワークステーション : XDM とローカル X サーバ 通常、XDM は自動的に X を起動し、普通、XDM は (init スクリプトに より) 起動プロセスの一部として実行されるように設定されているでしょ う。 標準で、ファイル Xservers は一つのエントリ - ローカルホストのも の - を持ち、ファイル Xaccess は、ローカルホストからアクセスする 許可だけを必要とします。 X 端末 : リモート XDM クライアントなしで、単に、X を起動します。そのアクセスパーミッショ ンはリモートの XDM の起動時に、それが接続できるような設定にしま す。以下はアクセス制御を伴わない X の起動をするでしょう。 /usr/X11R6/bin/X -ac リモート XDM が起動された時、そのように設定されたすべての (その ファイル Xservers に記載された) X サーバ (群) にログインプロンプ トを '押し出す' でしょう。 X 端末 : リモート XDM の検索 検索には3つのモードがあることを思い出してください - direct, indirect, と broadcast です (一つのホストのための direct, 返答し た最初のホストのための broadcast, もしくはホストの一覧を示す indirect)。 /usr/X11R6/bin/X -query the.remote.host /usr/X11R6/bin/X -broadcast /usr/X11R6/bin/X -indirect the.remote.host それぞれのケースで、X を自動的に起動する必要があれば、たいてい、X は root として起動されなければならず、init スクリプトにより起動する設定 となるでしょう。 Chooser アプリケーション XDM は indirect query を受信する時、'chooser' アプリケーションのため の設定が、Xaccess に指定されているとすれば、その XDM が知っているサー バを管理する他の XDM の一覧をユーザに提供できます。 この操作モードでは、通常の XDM ログインプロンプトのかわりに、ネット ワーク上の現在 XDM 接続を受け付ける検索されたホストの一覧を 'chooser' アプリケーションとともにユーザへ表示します。 始めに chooser を使うことを試した時、SuSE と Debian に付属するファイ ル Xresources に指定された chooser ウィジェットのサイズは、とても大 きなスクリーンのためのものであることを知りました。次に示す行は、それ を修正した Xresouces の行です。 Chooser*geometry: 700x500+300+200 chooser は、2つの方法のどちらかで、ホストの一覧を入手します。 Broadcast Query - このモードで、要求は、ネットワークにブロードキャ ストされ、一覧は、それを受信した XDM を実行している別のアプリケー ションサーバからの返信によって作成されます。 Explicit Listing - ファイル Xaccess に記載された chooser のための ホストの一覧を提供できます。以下にその Xaccess を示します。 %hostlist emma alex liam * CHOOSER %hostlist 候補として、いつも、ホスト emma, alex, と liam が一覧されることを 意味します - たとえ、そのマシンのいずれかが停止していても (ときた ま、接続を試みる前に、そのホストが実行しているか見るために 'ping' ボタンが用意されているものもあります)。 上級の設定オプション disk!advanced 設定のセット xdm-config ファイルは、スクリプトと他の設定ファイルを定義する豊富な オプションのセットを与えます。多くのケースで、ディストリビューション が既定値を提供していることは素晴らしいことですが、それらが望むものか どうかは・・・ 起動スクリプトと設定ファイルの名前は XDM に使用され、それは最上位の xdm-config ファイルの中で、一連の記述により決められます。これは能力 の異なる X サーバや X 端末のための異なったファイルのセットを設定する ことを許します。 例をあげれば、ローカルディスプレイを管理する XDM を利用したいが、ネッ トワーク上の他の X 端末からの検索も受け入れさせたい。次に示す2行の ように、これらのそれぞれのケース用に異なる Xresources のファイルを xdm-config に指定すれば可能です。 DisplayManager._0.resources /etc/X11/xdm/Xres_0 DisplayManager*resources /etc/X11/xdm/Xresources これは、ローカルディスプレイ用 (_0 は :0 を XDM に指定する方法) に Xres_0 を、他のもの用 ('*') に Xresources を使用します。 'ホスト上のディスプレイ 0' を指定するために、通常は host:0 を使いま すが、XDM の設定ファイルでは、用語 host_0 を使うことに、注意してくだ さい。 同様に、特別なホスト用に特殊なリソースファイルを使いたいなら、次のよ うなエントリを使用できます。 DisplayManager.host_0.resources /etc/X11/xdm/Xres_host_0 デフォルトの xdm-config ファイルに目を通したなら、たぶん、ローカル X サーバが、リモート X サーバのために、起動時とサーバのリセット時に異 なる動作をするよう、設定されていることに気づくでしょう。debian のファ イルで、ローカルサーバ用は次のとおりでした。 DisplayManager._0.resources: /etc/X11/xdm/Xresources_0 DisplayManager._0.setup: /etc/X11/xdm/Xsetup_0 DisplayManager._0.startup: /etc/X11/xdm/Xstartup_0 DisplayManager._0.reset: /etc/X11/xdm/Xreset_0 そして、リモートサーバ用は次のとおりでした。 DisplayManager*resources: /etc/X11/xdm/Xresources DisplayManager*setup: /etc/X11/xdm/Xsetup DisplayManager*startup: /etc/X11/xdm/Xstartup DisplayManager*reset: /etc/X11/xdm/Xreset X リソース この文書は、有効な X リソースに簡単に触れるだけですが、Xresources ファ イルにより、自由に XDM を設定できるためのことは述べます。 必要なら、次に示す項目を変更してください。 Fonts, login prompt sizes Background graphics Window Titles, etc XDM リソースのもっと詳細な検討が Richard Kaszeta のウェブサイトでな されています ( を参照のこと)。 一般的な設定 disk!advanced Linux から Linux へ 独立型の X ワークステーション これは、すでに何度もこの文書で述べていますが、要約すると、 localhost (すなわちローカルマシン) に関連する一つのエントリを Xservers 内に持った、XDM を実行している PC です。 X 端末とアプリケーションサーバ XDM はアプリケーションサーバ上で実行します。 Xserver : エントリは含みません Xaccess : X 端末の接続を許可しなければなりません X 端末は、アプリケーションサーバへ direct query を使用して、X を 実行します。 /usr/X11R6/bin/X -query the.application.server 管理する X 端末のグループ XDM はアプリケーションサーバ上で実行します。 Xserver : 管理する X 端末をそれぞれ記入します Xaccess : それぞれの X 端末の接続を許可しなければなりません それぞれの X 端末で、XDM の接続を許可するために、適切にアクセス 制御を設定し、X を実行します。 /usr/X11R6/bin/X -ac Linux から他のシステムへ Linux の X 端末を使って、XDM を実行している別のシステムに接続するこ とができます。上記と同じ原理が適用できますが、XDM (もしくは等価なも の) の設定の仕様が、そのシステム固有でしょう。 Linux と Solaris これまでに述べたように、Solaris machine を検索する指示を行い Linux box 上で X を実行できます。 /usr/X11R6/bin/X -query the.solaris.server Solaris box のフォントサーバを使う設定を、Linux マシン上でしな ければならないかもしれないことに注意してください。私は自由にで きる Solaris box を持っていないので、まだ、試していません - し かし、/etc/XF86config の中に次に示すようなフォントエントリを記 入する必要があると言えます(私は確認が必要と考えています)。 tcp/solaris.box:7200 他のシステムから Linux へ 他のシステムに X サーバがあるなら、Linux の XDM アプリケーションサー バに接続できるはずです。 Solaris と Linux 普段、Linux box 上で XDM を実行し、Solaris 上の X に Linux box を検索する指定をしていると仮定します - 他に情報が必要な方はいま すか? Windows と Linux XDMCP 検索をサポートする Windows 用 X サーバを持っているなら、 Linux box を検索する設定でできるはずです。普段、Linux box 上で XDM を実行しているはずです。もう一度 - 他にご質問は? リソース disk!resources この章は、この文書を作成するために役立ったリソースやもっと詳細な概念を 述べたリソースを記載しています。 参考文献の多くは、Linux Documentation Project (LDP) 所蔵のものです - http://www.linuxdoc.org/ X ウィンドウシステム X User Howto (LDP から) [訳注;日本語訳] Running Remote X Applications Mini Howto (LDP から) [訳注;日本語訳] Man ページ : X (主要な概念), Xserver (X サーバの概念) X FAQ (http://www.x.org/ 上) Thin-clients/X 端末 Thin-client Howto 文書 (LDP から) Linux Terminal Server Project : http://www.ltsp.org/ Diskless Howto 文書 (LDP から) X 端末のページ : http://dns.solucorp.qc.ca/xterminals Richard Kaszeta : 古い PC を独立型の X 端末にする : http://www.menet.umn.edu/~kaszeta/unix/xterminal/ XDM, XDMCP など Man ページ : xdm XDMCP Howto 文書 (LDP から) 日本語訳について disk!japanese 日本語訳は Linux Japanese FAQ Project が行いました。 翻訳に関するご意見は JF プロジェクト JF@linux.or.jp 宛に連絡 してください。 v0.05j 翻訳: 野本 浩一 hng@ps.ksky.ne.jp 校正: 岡本 一幸さん kokamoto@ad.vc-net.ne.jp 武井 伸光さん takei@webmasters.gr.jp kanjikanji さん kanjikanji@club-internet.fr 佐野 武俊 さん kgh12351@nifty.ne.jp